この記事は, 「masawada Advent Calendar 2019」の10日目の記事です.
昨日は, id:equal_001 さんの「3D Newtype masawada」でした.
masawadaさんとウイスキー
...さて, id:masawada さんと言えば, 最近急にウイスキー沼に沈んでいることが印象的です. ウイスキーに定評のある飲み屋に行ったら良い銘柄を教えてくれますし, ご自身でも通販などで様々な銘柄のウイスキーを購入されていて, 時折私達にも振る舞ってくれます.
そんなmasawadaさんですが, 風の噂によると今度台湾に行かれるそうです*1. 台湾のウイスキーといえば噶瑪蘭(カバラン). ということで, このエントリではカバランについて紹介しようと思います.
カバランとは?
※以下Wikipediaなど参照.
カバランは, 台湾の食品/飲食製造事業社である金車(King Car)のウイスキーのブランド名です. 漢字では「噶瑪蘭」と書き, これは台湾の原住民族であるカバラン族の名前を由来とします.
日本において, ウイスキーの蒸留所と言えばニッカウヰスキーの余市(北海道)や宮城峡(宮城), あるいはサントリーの山崎(大阪)や白州(山梨)など, どちらかというと西日本以北に工場が多く, 九州や沖縄などの日本の南側に所在する蒸留所はかなり少ないです. この立地は, ウイスキーの本場であるスコットランドの風土や気温になるべく近づけるため... だそうで, それで言うと沖縄本島よりも緯度が南な台湾は, 平均気温が高く蒸留酒の製造や熟成は困難, と言われていたそうです.
カバランでは, 台湾北部を南北に貫く雪山山脈の天然水を利用し, スコットランドから輸入した蒸留釜やアメリカ, スペインから手に入れた貯蔵樽を利用し, 温度/湿度を自動管理することによって, 温暖な気候の台湾におけるウイスキーの製造に成功したそうです.
そんなカバランの蒸留所は, 先に述べた雪山山脈の南側, 台北市からは南東に位置する宜蘭県に立地しています. 蒸留所にはビジターセンターや見学コーナーなどもあり, また蒸留所限定のウイスキーなども販売されています(日本で販売されているカバランブランドのウイスキーと比べると, 1/2〜2/3の価格で購入できます).
というわけで, 次にカバランの蒸留所へのアクセス方法をご紹介します.
蒸留所への道
台北市からカバランの蒸留所へ向かう行程は, 次の2つに大別されます:
- 台北市から宜蘭駅まで
- 宜蘭駅から蒸留所まで
宜蘭駅まで
正直, 台北市から宜蘭駅までのアクセスについては, Google等で「宜蘭 アクセス」などで検索すれば有益な情報がたくさん見つかります. 今回は公共交通機関による代表的なルートとして, 鉄道とバスを利用したルートを紹介します.
バス
バスで行く場合, 台北轉運站(台北駅近くのバスターミナル)から噶瑪蘭客運, もしくは市府轉運站(MRT市政府駅近くのバスターミナル)から首都客運のバスに乗るのが手っ取り早いです. 前回台湾に行った時は噶瑪蘭客運を利用したので, その様子を紹介します.
噶瑪蘭客運の宜蘭方面行きのバスは, 早朝から夜遅くまで, おおよそ20分に1本間隔で走っています. ので, 大抵の場合は予約せず, 当日券の購入で十分でしょう. 台北轉運站の1階にチケット売り場があるので購入します(140新台湾ドル, 日本円で500円前後).
チケットはこんな感じ. 班次が出発時間で, 座號が座席番号です.
チケットの購入が済んだら, 噶瑪蘭客運のバスが発着する4階まで移動します. 台北轉運站の雰囲気は難波のOCATに近いです. バスが到着すると係員が案内してくれるので, チケットを見せて自動ドア(上の写真の, モニターの下にある)を通り, バスに乗り込みます.
バスの様子. 噶瑪蘭客運の場合, 2+1列の3列シートなのでかなり快適で, トイレも完備されています. 台北轉運站から宜蘭駅までは, 途中雪山山脈を貫く雪山トンネルを経由して約1時間... ですが, 時間帯によっては渋滞することもあるので, 多少のバッファを見込んでおくと良さそうです.
バスは宜蘭駅の裏側に到着しますが, すぐ横にタクシー乗り場があるので, スムーズにタクシーに乗り換えることができます.
鉄道
宜蘭駅まで鉄道で向かう場合, 台北駅や松山駅から特急(太魯閣号, 普悠瑪号)に乗ることになります. 台北駅から宜蘭駅まで約1時間10分前後, 料金は218新台湾ドルです(日本円で約800円). 雰囲気としてはほとんど日本の鉄道と変わりません. ダイヤもかなり安定しているように思います.
...というか, 前回台湾に行った際に乗った普悠瑪号はTEMU2000型で, これは日本の日本車両製造が作った車両なので, 乗車体験は日本の特急列車とほとんど変わりませんでした. 雪山トンネルを経由するバスとは異なり, 鉄道は台北市から北東の海岸沿いを経由して宜蘭へ向かうルートになっているので, 天気が良い時は海の良い眺めが見られると思います.
蒸留所まで
宜蘭駅からカバランの蒸留所までは, タクシーを利用することになります. 先程述べたように, バスなら降りてすぐにタクシー乗り場があり, 数台のタクシーが待機しているはずです. 宜蘭駅からはメーター料金で約300元程度(1000円いかないくらい), 20分もあれば到着します. なお台北市内ではUberが使え, タクシーと同等あるいはそれより安い料金で移動できますが, 宜蘭の近辺では使えませんでした.
なお, 帰りのタクシーはカバランのビジターセンターで迎車をお願いすると良いでしょう.
蒸留所の様子
カバランの蒸留所には, 見学者が立ち入れる建物が2つあります. 1つはビジターセンター(酒堡)で, もう1つは見学可能な蒸留施設です. 写真はビジターセンターの外観になります.
見学可能な蒸留施設は, ウイスキーについての基礎知識の紹介コーナーの他, 蒸留釜や貯蔵されている樽の様子を眺めることが出来ます. 残念ながら日本語の案内はありませんが, 英語のテキストによる案内はあるので, 繁字体と英語のテキストを読むとなんとなく理解することができます.
さっくりで10分程度, じっくり見ても30分程度あれば一通り見学できるのではないでしょうか.
ビジターセンター
続いてビジターセンターの紹介です. まず, 1階には売店(商品部)があります.
先程も述べたように, 蒸留所の売店では, 日本での販売価格よりもかなり安い値段でカバランのウイスキーを手に入れることが出来ます. お手軽なお土産としては, 試験管状のウイスキー瓶を複数本セレクトして箱詰めできるセットもあるのでおすすめです.
また, 売店の片隅には「退税」カウンターがあり, ここでウイスキーを買った時のレシートとパスポートを渡して手続きをしておくと, 帰りの空港で手数料を引いた一部税が戻ってきます. 後述するブレンド体験の料金も対象になるので, 忘れずにレシートを残しておきましょう.
カフェレストラン
ビジターセンターの2階には, カフェレストランも併設されています. カレーやパスタなどの昼食を取ることもできます.
ブレンド体験
カバランの蒸留所に行くなら, ぜひブレンド体験にチャレンジしてみることをおすすめします.
事前に予約しておくことも出来ますが, 空席があれば当日申し込むことも可能です. 開始15分前に売店に行き, 料金1500新台湾ドルを支払ってレシートを2階の調酒教室のスタッフに渡せばOKです.
スタッフは中国語で説明をしますが, このように日本語の案内もあるので安心です.
用意された3つの原酒をブレンドし, 「良い!」と思った組み合わせを見つけます. 調合する分量によって, 匂いや味が露骨に変わって非常に面白い体験ができます. 複数人で行って, いろいろな分量を試せると非常に面白いです. ただ, 40度近い原酒を混ぜてテイスティングし続けるので, 試しているどんどん酔っ払ってきます...
最後は「これだ!」と思った組み合わせをスタッフに伝えれば, 300ml分用意してくれるのでボトルに詰めて箱に入れて持って帰ることができます. 世界に1つだけの「オリジナルブランド」のウイスキーが作れる訳です!!!
まとめ
台湾は極めて最高な場所ですが, ウイスキーが好きならぜひカバランの蒸留所に行ってみることをおすすめします. 先に述べたように台北市からのアクセスも容易で, 朝から行けば日帰りで見学することも可能です(...が, 折角なので宜蘭県で1泊してみても良いと思います. 宜蘭駅や, その少し南の羅東駅の辺りにホテルがあります).
また, 公式サイトは日本語にも対応しており, 調酒体験やガイドツアー(中国語 or 英語, ウイスキーの試飲付き)を日本語で予約することも出来るので安心ですね!!!!! id:masawada さんにおかれましては, 台湾に行った際にはこの記事の情報などを参考にして, 必ずカバランの蒸留所に赴いて頂いて, ウイスキーを大人買いしてもらいたいと思っております.
明日は id:Kureduki_Maari さんです. 宜しくおねがいします.
*1:...っていう話を聞いたんだけど, まだ確定ではないっぽい