絶対笑顔でまだまだいっぱい夢見るブログ

日常について書くブログです. 技術的な話はこちら: https://papix.hatenablog.com

北へ 〜その3〜

papix.hatenablog.jp

7/19(月)

旅は3日目. 平日だが, 今日から3日間は有給休暇ということになっている. 今日の旅は阿寒湖から始まる. ...ちなみに昨日のエントリにも書いたように昨晩泊まった宿にはなんとエアコンがなく, この暑い夜を乗り越えることが出来るのか...? という話題だが, やはり暑かったものの, 窓を全開にした上で唯一の冷房機器であった扇風機(というか送風機)をガンガン回し, 更になるべく(常識の範囲内で)薄着になることで, なんとか無事に眠り, 朝を迎えることができた(?).

f:id:papix:20210719093401j:plain

...まずは, 昨日(気がついたら開館時間が終わっていて)訪れることができなかった環境省の「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」へ足を運んだ.

business4.plala.or.jp

f:id:papix:20210719092536j:plainf:id:papix:20210719092442j:plain

ここは, 阿寒湖一帯を含む「阿寒摩周国立公園」のうち, ここ阿寒地域に関する自然を紹介する施設となっている. 阿寒湖特有の丸いマリモや, ヒメマスの展示もあった.

f:id:papix:20210719093824j:plain

朝の阿寒湖を眺めつつ, 今日の予定を再確認した. 今日はとにかく朝から移動, 移動, 移動という1日になっている. しかも, 公共交通機関の便数が少ないこともあって, 大幅に遅延したり寝過ごしたりすると, その時点でゲームオーバーだ.

...今日の最初の目的地は中標津空港である. 根室の玄関口でもあるこの空港は, 地図を見れば阿寒湖から西に進めば到達出来るように見える. しかし, 公共交通機関を使うなら話は別だ. 阿寒湖から西へ, 最短ルートで中標津まで移動できる現時点で利用可能な公共交通機関は存在しない.

というわけで, 初手は阿寒バスで阿寒バスセンターから釧路駅まで, 南への移動となる. 10時20分に出発した路線バスは, 途中数多の停留所を経由して, 釧路空港, そして釧路の市街地へ向かって進んでいく. 釧路駅にはほぼ定刻通り, 12時20分頃到着した.

f:id:papix:20210719123538j:plain

乗り継ぎに少し余裕があったので, 釧路駅に併設されているパン屋で一休みすることにした. 北海道の形をしたパンがあったので, 思わず買ってしまった.

f:id:papix:20210719125258j:plain

...そして釧路駅でこれからしばらくお世話になる「秘密兵器(?)」を購入する. 「北海道&東日本パス」. JR北海道とJR東日本の全路線と一部私鉄の普通列車が, 連続する7日間乗り放題で11,330円という破格の切符である. 「青春18きっぷ」が(連続しない5日間とは言え)12,050円という事を考えると明らかに安い. 「青春18きっぷ」と同様, 特急電車や新幹線には乗車できないものの, 快速扱いの「のってたのしい列車」には(指定席券を購入すれば)乗車出来るので, うまく旅程を組み立てることが出来れば快適かつ格安に移動することができる. 釧路駅から少しJRに乗るため, ここでの購入と相成った(また, 今日購入すれば有効期限が次の日曜日, 7/25になるため, 大変効率的という話題もあった).

f:id:papix:20210719135741j:plain

南に移動した次は, 西へ進む. 13時26分発の根室本線根室駅行きに乗り込む. なんとこの令和の時代に(?)非冷房車で, 乗客は皆窓を全開にして涼をとっていた.

f:id:papix:20210719135815j:plainf:id:papix:20210719135842j:plain

そして昼食. 先のパンは昼食ではない... 朝食だ... ということで, 釧路駅の売店で買った「花咲かにいくらめし」を頂く. カニ! いくら! 飯!!!, という潔い弁当で, 普通の弁当よりも若干量は少なく(個人の感想です), そういう意味で先に食べたパンとあわせて丁度良い昼食と相成った.

f:id:papix:20210719141402j:plain

f:id:papix:20210719142147j:plainf:id:papix:20210719142549j:plain
f:id:papix:20210719145950j:plain

海, 山, 湿地, 草原... 車窓の様子はまたたく間に変わっていく. 途中, コンブを干す人達の様子を眺めることもできた.

f:id:papix:20210719151319j:plain

電車に乗って約1時間半. ウトウトし始めた頃, 列車は目的地の厚床駅に到着した.

f:id:papix:20210719154747j:plain

厚床駅. かつてはここから中標津方面へ北上する標津線が走っていたが, 1989年に廃線となっている. 列車交換が可能な構造にはなっているが, 2016年のダイヤ改正からは列車交換する機会はなくなっており, 奥のホームは線路も敷設されているにも関わらず, 一切利用されていない. かつて乗客たちが, 恐らく釧路方面へ向かう列車を待つのに使っていたであろう椅子も, 今や雑草に囲まれてしまっている.

f:id:papix:20210719151305j:plain

厚床駅から釧路駅方面を望む. 中標津を目指して南, そして西へと移動してきたので, ここから先はバスで北へ向かうことになる. 目的のバスが出発するまで約1時間ほどあったため, 少し散策することにした.

f:id:papix:20210719153717j:plain

根室まで30km, 中標津まで45km. このようなスケールのでかい(?)看板を見ると, 北海道だな... という気持ちが強くなる. 厚床駅の近くに小さな喫茶店があるという情報があったので, そこに立ち寄ってみようと考えていたが, 今日は休業日だった. 仕方がないので, 大きな道路(国道44号)沿いのコンビニに立ち寄ったり, 開運寺という寺院に立ち寄ったりして, バスを待った.

f:id:papix:20210719163646j:plain

中標津空港行きのバスは根室駅が始発であり, 厚床駅まで国道44号線を東に進んだ後, ここから中標津空港まで北上するというルートを辿る. バスはほぼ定刻通りの15時55分に厚床駅前に到着した. 約1時間後, バスは無事中標津空港に到着した.

f:id:papix:20210719171702j:plain

f:id:papix:20210719171642j:plainf:id:papix:20210719171652j:plain

中標津空港. 根室への玄関口でもあるため, ANAは「根室中標津空港」の名称を利用している. 3レターコードはSHBで, 通常は新千歳空港行きが1日3便, 羽田空港行きが1日1便運行されている. 1989年に建造されたこのターミナルビルは見ての通り木造建築(一部鉄筋も使用しているそうだ)で, これは日本初らしい.

f:id:papix:20210719170828j:plain

中標津空港にあった地図で, 今日の移動ルートを示してみる. いわば, 阿寒湖, 釧路, 厚床, 中標津を結ぶ四角形を遠回りして移動した形になる. 阿寒湖から約6時間半もかかってしまったが, 無事到着することができた.

f:id:papix:20210719173904j:plain

さて, 中標津空港はあくまで最初の目的地であって, 空港に来たということは当然, 飛ぶ. 新千歳空港行きの最終便, ANA4886に乗る. 機材はDHC-8-400で, 60%〜70%くらいの座席が埋まっていただろうか.

f:id:papix:20210719180151j:plainf:id:papix:20210719180814j:plain

飛行機は滑走路を東に向かって離陸し, 右旋回して新千歳空港を目指す. うっすらとした雲の先に, 格子状の防風林が見える.

最初はうっすらとした雲の中を飛行していたが, 高度を上げ続けるにつれ遂に雲の上に出た. ここ数日間, 直射日光による高温で悩ませ続けてきた(?)太陽が, 眩しく輝いていた.

f:id:papix:20210719185623j:plain

f:id:papix:20210719191222j:plainf:id:papix:20210719201237j:plain

中標津空港から, 約1時間のフライトの末新千歳空港に到着した. 平日ということもあって, 比較的混雑は少ないように見える.

...さて, 新千歳空港に来るとなんとなくラーメンが食べたくなってしまう. 体はラーメンを求める. ということで, 到着するや否や「北海道ラーメン道場」へ一直線に向かった. 本当は久々に「一幻」を食べたかったものの, 今日も混雑していたため(新千歳空港にあるラーメン屋のうち, 「一幻」は特に人気が高いようで, いつも待ち行列が発生している), 「白樺山荘」の味噌チャーシュー麺を頂いた.

新千歳空港もまた今日の最終目的地ではなく, まだ「次の移動」が残っている. とはいえここでの乗り継ぎは約3時間の余裕がある. こういう時はだいたい新千歳空港温泉に足を運ぶのだが, 今回は別途, 風呂に入る予定がある(?)ため, スーパーラウンジで一息ついた後, スターバックスで47 JIMOTO Frappuccinoの北海道限定商品「北海道 とうきび クリーミー フラペチーノ」を頼みつつ, 次の移動へと備えることにした.

www.starbucks.co.jp

...いや, こういうの頼んでしまうから太るのだ, というのは十二分に承知していて... しかしながらこういう地域限定商品というのに大変弱く... その分歩いたり運動したりするので勘弁... と脳内で自問自答を繰り返しつつ味わった. 北海道らしく, ホワイトチョコレート風味のシロップが加えられ, とうもろこしのフレークでデコレーションされている. 大変美味, やはり甘いものは正義...

f:id:papix:20210719213442j:plain

新千歳空港発の飛行機が全て出発してしまった21時過ぎ. 新千歳空港への到着便はまだまだあるものの, ターミナルビルにあるほとんどの店は既に閉店しており, 空港のスタッフを除いてほぼ無人の状態になってしまった. ...さて, そろそろ次の目的地へ向かおう. ということで,

f:id:papix:20210719225446j:plain

おや...?

f:id:papix:20210719230002j:plain

はい.

新千歳空港からJRで苫小牧へ, 更にバスで苫小牧西港へ移動して, 23時59分発のシルバーフェリー「シルバーティアラ」に乗船.

www.silverferry.jp

f:id:papix:20210719231822j:plain

「シルバーティアラ」は2018年に就航した比較的新しい船で, 船内の環境は非常に快適. レストランはないものの, チルド食品の自動販売機が用意されているので軽食も取れるし, 何より風呂があるので, 波に揺られつつ入浴して, 汗を流すこともできる.

札幌方面から東北を目指す場合, このルートはかなり利点があり, 具体的には札幌駅を21時に出発する高速バスから乗り継ぐことができる上, 翌日7時30分には八戸まで到達することが出来る. 18きっぷで本州を目指す場合, 一旦函館まで迂回する必要があるが, このルートであればほぼ南に一直線に移動することができる. 比較的安く, 素早く, そして寝ている間に(つまりホテル代も節約出来る)移動出来るのだ.

f:id:papix:20210719231433j:plain

f:id:papix:20210719231212j:plainf:id:papix:20210719230434j:plain

実は「シルバーティアラ」に乗るのは2回目で, 前回はカプセルホテルのような「2等寝台B」にしたのだが, 今回は個室の「2等寝台A」にしてみた. 机, 椅子, ベッドというシンプルな構成だが, 完全にプライベートな空間が用意されている... というのはかなり快適だ.

f:id:papix:20210720215605j:plain

気がつけば, 出港の時間になっていた. 北海道が徐々に遠ざかっていく. 明日もまた旅は続くので, 体力が回復出来るよう素早く眠ろう. 部屋に戻ってベッドに潜り込むと, 船独特の「ドッドッドッ...」というエンジンの揺れと, それとは周期の違う波の揺れが背中から伝わってくる. ちゃんと冷房も効いており, 気がつけば心地よく眠ってしまっていた.

papix.hatenablog.jp